場面カット:ある場面をおもてに表さないレもの
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場面カット
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ばめんかっと
scene cut
松ちゃん「また、面接?」
妙子「そ——、
今頃 やってる最中
かもね——」
松ちゃん「ん——、
そっか、ついに東京か——……」
妙子「知ってたの?」
松ちゃん「こないだ『エイト』で飲んだ時、
ちらっと。
心配か?」
妙子「だってさ——
あの子ったらね、
一次面接ん時さ——……」
(空白)
松ちゃん「はっはっはっ。
あいつ、あいかわらず
いいひとか——!!」
-『いいひと。』1巻39ページ(高橋しん/小学館 ビッグコミックス)
場面カット
は、ある場面をおもてに表さないレトリックです。それでいて、その場面で何が行われたか、どういう会話が進んだかということは、前後の関係からちゃんとわかる。作品がムダに長くならないようにするテクニックの一つです。
あるはずのシーンがないので、予想をくつがえすことになる
「場面カット」では、あるべきはずの場所にあるはずのシーンがないということになります。ですので受け手(読み手、聞い手)には、意外な感じを与えることになります。
:予想外、意外
次に予想される場面をくつがえす
本来、あらわれるはずのシーン。そのシーンが、まるごと省略されることになります。
例文は『いいひと。』1巻。
もちろん「場面カット」されているのは
(空白)
の部分です。
(空白)と書いたとおり、そこのコマにふき出しはありません。タバコの吸い殻がいくつか散らかっているだけです。
しかし、その(空白)で何も書かれていないはずのコマから、何がそこで話の話題にのぼったのかということは、はっきりとわかります。主人公の優二が、一次面接の時に「いいひと」であるあまりに面接時間に遅刻したんだということが話題にのぼっていたはずです。それは、前ページまでの話の流れから、まちがいありません。
このように、言わなくても分かることをあえて言わないでカットしてしまうものを、場面カットと呼びます。
「省略法」と「場面カット」との関係
「場面カット」は「
省略法
」の一種です。また、「
黙説法
」とも近い関係にあります。
また「場面カット」には、「タブー」となるシーンを見せないでおくという効果があります。つまり、「あまりに残虐なシーン」だとか「性的なシーン」など、“健全なる読者”に悪い影響を与えるようなシーンも、この「場面カット」で処理する場合があります。
場面カット
『センスをみがく文章上達事典』(中村明/東京堂出版)
かなりの分量で、「場面カット」について解説してあります。
関連するページ
省略法
:省略に関するまとめのページ
そのた
●その他「場面カット」に関するもの
:
情報カット
-
黙説法
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