論議拒絶:相手の質問を答えるまでもないとする
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論議拒絶 ろんぎきょぜつ apodioxis

『涼宮ハルヒの憂鬱』1巻7ページ([原作]谷川流・[漫画]ツガノガク・[キャラクター原案]いとうのいぢ(角川書店 角川コミックス・エース)
  • ハルヒ 「この中に
  • 宇宙人・未来人・
  • 異世界人・超能力者がいたら
  • あたしのことろへ来なさい
  • 以上!
-『涼宮ハルヒの憂鬱』1巻7ページ([原作]谷川流・[漫画]ツガノガク・[キャラクター原案]いとうのいぢ(角川書店 角川コミックス・エース)
  • 定義重要度1
  • 論議拒絶は、相手が出してきた(または出してきそうな)質問に対して、答えるまでもないとして拒否する、というレトリックです。

  • 効果

  • 効果1「答えるまでもない」ものにあてまはる具体例

  • と、その前に。
    最初に書かなければならないことがあります。

    それは、(後で「特に参考となる資料」のところでも書きことに触れることがますが、)この「論議拒絶」というレトリックは、日本の本では、ほとんど見受けられないということです。

    仕方なく、英文のサイトをいくつか拾い読みました。ただし、私が学生時代の英語力はひどいものでした。なので、どれほどうまく翻訳することができるかが疑問ですが。

    さて、本題に戻って。
    どういったものが「答えるまでもないもの」に当たるのか。
    この具体例には、いろいろなタイプがあります。
    ばかばかしい(absurd)
    生意気な(impertinent)
    悪ふざけをしている(wicked)
    ウソをついている(false)
    必要のない(needlass)

    とったことがあったときに。いうまでもない議論だとして拒否ができると書かれていました。ただし、あまり英語が分からない私が理解したところによると。
  • キーワード:ばかばかしい(不条理な)、生意気な、悪ふざけをしている(不道徳な)、ウソをついている(虚偽)、必要のない
  • 使い方
  • 使い方1相手の主張を無視する

  • 相手の話そうとしている話題、または話そうとしている話題。これについて、話し相手の言葉を無視する。これが「論議拒絶」です。
  • キーワード:無視、拒絶
  • 使い方2無視をする理由

  • 相手が合理的ではない話題になったとき、または必要なものではなかったと判断したとき。その時に、話し相手を無視することによって「論議拒絶」を作ることができます。
  • 注意

  • 注意1論議拒絶による相手への攻撃

  • 「論議拒絶」は、相手の意見を拒否して無視してしまうことです。それは、時によっては相手が主張している考え方のほうが正しい、と認めたことになりません。ですので「論議拒絶」は、時と場合によるレトリックです。
  • 例文を見る)
  • 引用は、『涼宮ハルヒの憂鬱』1巻からです。

    キョンは、今日から高校生。これから高校生としての一歩を踏み出す。
    そしてまず自己紹介という、ありがちなイベントがはじまることになった。[[bt]]ここでハルヒが自己紹介をする、という順番が回ってくる。
    で、その内容がすさまじい。

    まず、「宇宙人・未来人・異世界人・超能力者」の部分。ここでいくつかの単語が並べられているレトリックは、「 列挙法」または「 列叙法」にあたります。くわしくは、それぞれのページをご覧下さい。

    ここで、「論議拒絶」の例としてあげたいと思っているもの。それは、「以上!」という部分です。

    今回の「論議拒絶」は、このときハルヒが用いたものです。決して、キョンだとか(ハルヒを除いた)クラスメイトが使ったものではありません。

    具体的に書きましょう。
    ひとりひとり、順番に自己紹介をするという行動が、意味のないことに思えて仕方がない。なのでこのシーンで、たぶんハルヒは「ばかばかしい(absurd)」ものを感じたのでしょう。

    そのためハルヒは、自己紹介を必要ないものと考えて、「以上!」で終わらせている。つまりこの「以上!」によって、それ以上の議論を拒んでいる、ということになります。

    ですので、これは(ハルヒによる)論議拒絶ということができます。
  • レトリックの呼び方
  • 呼び方5
  • 論議拒絶
  • 呼び方3
  • 黙殺
  • 別の意味で使われるとき
  • ●似たつづりのことば
  • このページで扱っているのは、「Apodioxis」です。しかし、googleで検索すると、
    「もしかして、Apomixis」

    と表示されます。
    ですがこれは、このページで扱っている「Apodioxis」とは違うものです。レトリックの用語ではありません。詳しくは[WikipediのApomixis参照]のほうにお任せしますが、どうも生物関連の単語のようです。
  • 参考資料
  • ●『レトリック事典』(佐藤信夫[企画・構成]、佐々木健一[監修]、佐藤信夫・佐々木健一・松尾大[執筆]/大修館書店)
  • たぶん日本語の文献では、この本が一番くわしく書いてあります。1ページだけど。
  • ●『大修館英語学事典』(松浪有・池上嘉彦・今井邦彦[編] /大修館)
  • (私が知る限り)、上記の事典のたぐいで日本語の文献で「apodioxis(論議拒絶)」を載せているのは、残念ながら、この本だけでした。1行くらいの解説だけど。
  • ●『研究社新英語学事典』(大塚高信ほか /研究社)
  • この本にいたっては、
    「Apodioxis(強行拒絶)」

    という、1行にも達しない説明があるだけ。
  • ●〈レトリックを解説している英語サイト〉
  • というように、解説に困ったときには。インターネットを使うことで、問題を解決することがあります。便利なことに、英語で書かれたサイトでも瞬時に手に入れることができます。私は学生時代、英語が(かなり)苦手だったので、皆さまに見せるような翻訳ではありません。ですが、4〜5か所の英語サイトを、ページ作成の参考にしました。