接離法?:名詞文の最後に「。」をつける
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せつりほう?
disjunctive
『いいひと。』
FOR NEW NATURAL LIFE
高橋しん
-『いいひと。』1巻表紙(高橋しん/小学館 ビッグコミックス)
接離法?
は、「
接離法
」とはちょっと違うけど、気になるのでページをつくってみました。
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名詞だけしかない文の最後に「。」をつける
名詞だけしかない文の最後に「。」をつける。これが、1つ目のパターンです。
名詞文の最後に「。」をつける
名詞文というのは、名詞で終わる文です。この2つ目のパターンほうが、数多くあります。「
名詞止め
」や「
名詞提示
」と重なるものもありますので、そちらもご参照ください。
引用は『いいひと。』1巻の表紙です。
もちろん注目点は、末尾についている「。」の記号です。
この「。」記号って、何なのでしょう?
たしかに、主人公の北野優二は、「いいひと」だといえます。作品中でも彼が「いいひと」だっていうことは、くり返し強調されています。だから、もしもタイトルが『いいひと』という「。」のつかないタイトルだったら、何の問題もないんです。
問題は、「いいひと」のうしろについている「。」記号の部分。いったい何なんでしょう、この「。」記号は。
ナゾです。
でも、典型的な「接離法」とはいえないと思われたので、「接離法」とは別個にページを作成しました。
「接離法?」とはなんなのか
このサイトで引用している、マンガのタイトルからあげると『バクマン。』や『絶対彼氏。』があります。ですが、『090えこといっしょ。』についている「。」マークは、別の意味でナゾだといえます。
「
アニヲタWiki(仮)
」でアニメのタイトルを探してみると、43個ほど出てきました(2020年2月現在)。
しかし、この「。」の記号。ものすごく不思議であります。
別に、発音できるわけでもありません。
だからといって、意味をつけ加えているとも思えません。
いったい、何なのでしょうか?
しかし、「レトリック」の世界では、これに対応するレトリック用語が見あたりません。ですので、「接離法?」というタイトルをつけておきました。
『絶対彼氏。』での作者コメント
>『絶対彼氏。』(渡瀬悠宇/小学館 小コミフラワーコミックス)と、これまた「。」のついたコミックスを描いた渡瀬先生。彼女が「。」とつけた理由は、このように書かれています。
語尾の「。」はイミなし。収まりが良かったので。 (1巻143ページ)
やっぱり、特別な意味を加えようとして、句点「。」をつけているわけではないようです。
本文での例-その1
また、タイトルばかりでなく、「ふき出し」のなかにも、よく登場します。
使われている例を1つ挙げてみると、『ベイビィ★LOVE』(椎名あゆみ/集英社 りぼんマスコットコミックス)の4巻16ページ。
せあら「ねー 柊ちゃん
もしかして迷惑だった?」
柊平「迷惑だ。」
この「迷惑だ。」についている「。」が、このページで話題にしている、ナゾの「。」です。
何となく、使われている場面を見た感じでは、
短い言葉に対して付けられる
強く断定したい場合に付けられる
という印象を受けます。上で引用した、せあらと柊平の会話でも、このことが当てはまると言えます。
本文での例-その2
この、「
接離法
」もどき。これが頻発するマンガとして、『天正やおよろず』(稀捺かのと/エニックス GANGAN WING COMICS)を紹介しておきます。
とにかく、たくさん登場します。似たレトリックといえる「
名詞提示
」も登場回数が多いですが、このページで扱っているレトリックも頻出します。
ためしに、1巻からピックアップしてみると、こんな感じです。
(だんごを)すでに食べ歩きツアー決行中。 (12ページ)
(大根のモンスターが、すでに出現しているようすを形容して)ばばん。 (32ページ)
(さらに大根のモンスターが)かかしを埋めてる。 (37ページ)
(ライルの悪口を)言いたい放題。 (71ページ)
(おしるこ屋でライル達をみつけて)感動半減。 (110ページ)
(料理が下手なことが、アルドくんも)同類。 (134ページ)
(かばんの中から登場した形容として)にゅ。 (146ページ)
(ようやく温泉に入ることのできたライルについて)最後の最後にようやくちい〜っさな幸せを掴めたライルであった。 (172ページ)
(おなじ場面で、温泉で眠りについているライルについて)※お風呂で寝てはいけません。 (172ページ)
かなりの数があります。しかもこれは、まだ1巻からだけしかピックアップしていないんです。
ただ、マンガのふき出しには、原則として句点「。」という記号は、くっつかないはずなのです。句点「。」がついている場合には、そこには句点「。」を意図的にくっつけたと考えることになるのではないかと言えます。そういった考えのもとで『天正やおよろず』を見てみると、やたらと句点「。」がつけられた文章が出てくるのです。
しかも上にあげたのは、1巻からだけのピックアップです。2巻以降も、同じようなペースで、例外的な句点「。」を見つけることができます。こういったものは、このページで「接離法?」という名前であつかっている「
接離法
」もどきと見ていいでしょう。
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