反復法:くり返すレトリックをまとめたもの
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反復法
関連レトリック
反復法
反復法
はんぷくほう
repetition
反復法
は、その名前のとおり、くり返すレトリックです。つまり、「同じ」または「似た」の語句を2回以上反復することいいます。
くり返すことで、リズム感が出る
同じフレーズやことばをくり返す。それは、人間にとって最も基礎的な部分に訴えかけるものです。そこから、リズム感が導きだされてきます。
:リズム、リズミカル、律動、節奏、高揚、発揚、奏でる、声調、節、節回し、諧調、音律、差しせまる、緩急、メロディー、調和、ハーモニー、音楽性、美的、美妙
同じことばをくり返すことで、強調をすることができる
反復法では、同じことばがくり返されます。これによって、強調をすることができます。
:強調、強い、強まる、強める、強化、増強、大きい、増加、印象、焼き付ける、キャッチコピー
詩歌で使うことがよくある
詩歌では、同じことばを何度もくり返すことがあります。リフレーンともいいます。これは、詩歌を作るときには、定番の方法だといえます。
:詩、詩歌、リフレーン、音、芸術、定番、常套、定石、ありふれる、ありがち
重要なことがらをくり返すことで、注意を喚起する
注意を喚起すことによって、より理解を促すことができます。
:注意喚起、注意を呼び起こす、理解を促す
表現する側が感動していることなどを示す
「反復法」を使って、何回もくり返し表現する。これによって、感動していることを受け手(聞き手・読み手)に伝えることができます。
:感動、感激、感慨、胸を打つ、意図、心づもり、感情の激する、感情の高まり、説得
普段の暮らしの中でも、何度も無意識に使われている
この「反復法」は、気がつかないうちに日ごろの生活で使われています。念を押したり、強く伝えたいとき。そんなときに、気軽に用いられています。
:無意識、自然会話、童謡、民謡、歌謡曲、擬声語、擬態語、オノマトペ
情報を、厚みをもって深く伝えることができる
何度も同じことばをくり返す。このことによって情報を、より厚みをもって深く伝えることができます。
:厚み、厚さ、幅、深み、深い、奥深い、深長、深奥、奥行き
同じ(または似た)単語や句などを、くり返し使う
句形や同音・語彙・句の反復など様々なバターンがあります。
度がすぎるとわずらわしく、いやみなものになるおそれがある
たしかに「反復法」を使うと、いろいろなメリットがあります。ですが意味もなく「反復法」を使いすぎると、相手に不愉快な思いをさせてしまうこともあるので、注意が必要です。
:わずらわしい、うるさい、不愉快、悪感情、いやみ、苦情、嫌気
「反復法」の3タイプ
この「反復法」というレトリック用語の使いかたは、レトリックの学者によって微妙な違いがあります。おおまかに言って、
同じことばをくり返すこと——(いちばん狭い使い方)
同じことば・句・構成・音をくり返すこと——(中間的な使い方)
同じか、もしくは似た表現をくり返すこと——(いちばん広い使い方)
の3つに分けることができると思います。
「反復法」というレトリック用語の、細かな位置づけ
「反復法」という用語は、レトリックの中心的なものです。そのため「反復法」には、下位の分類として、さまざまな用語が考え出されています。つまり、やたらと細かく分けられて用語をつけられています。
そんなわけで、「反復法」に分類されるレトリックを並べてみると、次のような長いリストになります。
「
畳句法
」:同じフレーズをくり返すレトリック
「
畳語
」:同じ言葉や表現を、すぐ後にくり返して畳みかけるレトリック
「
隔語句反復
」:同じ言葉や表現を、間隔を置いてくり返すレトリック
「
復言
」:同じことばを、別の句に連続して使うレトリック
「
倒置法
」:1つの文中で、意味論的には無駄なくり返しをするレトリック
「
首尾同語
」:1つの文のはじめと終わりが同じ言葉になるレトリック
「
回帰反復
」:しばらく間をおいて前の言葉をくり返すレトリック
「
首句反復
」:1つ目の文の最初にある言葉を、次の文のはじめでも使うレトリック
「
結句反復
」:1つ目の文の最後にある言葉を、次の文のおわりでも使うレトリック
「
首句結句反復
」:「
首句反復
」と「
結句反復
」が一緒にあらわれるレトリック
「
前辞反復
」:1つ目の文の最後にある言葉を、次の文のはじめでも使うレトリック
「
おうむ返し
」:ある人が言ったことを、そのすぐ後に、別の人がくり返すレトリック
「
おうむ返し
」:まったく同じ言葉を、ほとんど同じ意味でくり返すレトリック
「
循環論法
」:証明したいことの根拠を示すときに、その証明することを使うレトリック
「
異義復言
」:いくつもの意味を持つ言葉を、違った意味でくり返すレトリック
「
類義累積(類義語累積法)
」:似た言葉を並べることで印象を強くするレトリック
「変形反復」:ほぼ同じ意味の言葉を、形を変えてくり返し使うレトリック
「
疑惑法
」:どの言葉も不十分だと思い、言い直しながら多様な表現を並べるレトリック
「
類音反復・ジングル
」:音が似ていて意味の大きく違った2つの言葉をくり返すレトリック
「
倒置反復法
」:同じ言葉を使って、語順が「AB−BA」となるように反復をするレトリック
「
交差配語法
」:似た言葉を使って、語順が「AB−B’A’」となるように反復するレトリック
「
逆対句
」:「
倒置反復法
」と「
対照法・対句
」を組み合わせたようなレトリック
くわしくは、それぞれの項目を参照して下さい。
「反復法」というジャンルに含まれる、数々のレトリック用語
…本当は、もっと細かいレトリック用語があったりします。レトリック学者は、分類して名前をつけるのが大好きなのです。
上にあるリストも、そのうちにもっと長くなっているかもしれません。
なお。
上にあげたリストに長々と書かれている、レトリック用語。長々と書かれているにもかかわらず、このリストは「語句」レベルの反復に限って書いてあります。つまり、「音」レベルでの反復については、上のリストには書いてありません。
くり返されているのが「語句」でなく、「音」だけになっているもの。これについては、「
継起的音喩
」のページに書いておきました。なので、「音」レベルの反復については「
継起的音喩
」のページを参照してください。
反復・反復法
くり返し・くり返し法・リフレイン
『くりかえしの文法—日・英比較対照—』(牧野成一/大修館書店)
本の内容は、『くりかえしの文法』という本のタイトルどおりです。「くりかえし」つまり「反復」について非常にくわしく書かれています。
『日本語解釈活用事典』(渡辺富美雄・村石昭三・加部佐助[共編著]/ぎょうせい)
「反復法」について、要点をあさえています。また例文が日本文学のものなので、読みやすいと思います。レトリックの本には、例文になっているのが多いから。
関連するページ
畳語
:単語をくり返すいちばん単純な「反復法」
畳句法
:言い回しをくり返すもの
そのた
●言葉をくり返すもの
:
復言
-
回帰反復
-
首句反復
-
結句反復
-
首句結句反復
-
前辞反復
-
異義復言
●言い回しをくり返す他の例
:
おうむ返し
-
トートロジー
-
循環論法
-
倒置反復法
-
交差配語法
-
逆対句
●音をくり返す例
:
類音反復・ジングル
-
同時的音喩
-
継起的音喩
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