語中音添加:単語の途中に音を差し込み幼児っぽさを出す
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語中音添加
関連レトリック
語中音添加
語中音添加
ごちゅうおんてんか
epenthesis
司会「それでは生徒会長のお話です」
桜野くりむ(生徒会長)「
み みなしゃん
」
生徒一同(あ か
かんじゃった)
くりむ「
みなしゃ…っ
しゃ…さん
ごきげんよう」
「気候もめっきり
ポカポカと…
新緑が…ええと」
-『生徒会の一存 にゃ☆』1巻22ページ([原作]葵せきな・[漫画]水島空彦/角川書店 角川コミックス・エース)
語中音添加
は、単語の途中に音を差し込むというものです。
(このサイトでは、歴史的変遷としての「語中音添加」については基本的には扱いません。)
発音をカンタンにすることができる
語中音添加では、単語の中心に音を加えます。このことによって、発音がカンタンになります。多くのばあい語中音添加は、間違いやトリチガエの時に生ずるものなので、マイナス面にばかりを考えがちです。けれども、この語中音添加によって、発音が楽にできるようになるのは確かです。
:(発音を)カンタンにする、容易に、なめらかに、スムーズ、手軽に、単純に
詩に使われている効果を引き出す
詩の効果を高めるために、この「語中音添加」が使われることがあります。
:詩的、詩
新語を作り出す
単語の中心に音を加える。このことは、いままでの単語とはべつの意味の言葉をあらわすことになります。ですので、「語中音添加」によって作られた単語は、一種の新語ということが言えます。
:新語、新造語法
子供っぽい登場人物が使っているような雰囲気が出る
子供はしばしば、「語中音添加」に分類されるような言い間違いをすることがあります。これは、子供のうちはまだ、言葉を話すのに使われる部分の発達が完成していないためです。そのため、「語中音添加」のような発音になってしまいがちということになるのです。このことから、「語中音添加」を使って話している人は、幼い子供であることも多くあります
:幼い、いとけない、幼少、幼稚、子供、子供じみた、児童、幼児
音を単語の中に入れる
ここでは、「トンビ」という単語を例にします。この「トンビ」という単語は、もともと「トビ」だったはずです。しかし、早口ことばのように何度も使うと言いづらい。そこで「ン」の音を挟み込むことによって言いやすくする。これが、基本的な使い方です。
今回の画像は、『生徒会の一存 にゃ☆』から。
ここは、私立碧陽学園。そして、今まさに舞台へと歩いてきたのが、生徒会長の「桜野くりむ」。くりむは3年生だけど、ちっちゃい。でも生徒会長。
それは置いておいて。
くりむの「かんじゃった」のが、「語中音添加」ということができます。
正式な記号で説明するのがメンドウなので、ローマ字で説明させてもらいます。
みなさん→
minasann
みなしゃん→
minas
y
ann
といったぐあいになります。ローマ字の「
y
」がつけ加えられています。
ですので、くりむのセリフは「語中音添加」だと言えます。
(まあ実は、音素の正式な記号で書いても、あまり大きな違いはないのだけれど)
「語中音添加」に近いレトリック用語
このページであつかっているのは「語中音添加」です。この「語中音添加」には、仲間のようなレトリック用語が2つあります。それは、「語頭音添加」と「語尾音添加」の2つです。
つまり、単語の先頭に音が加えられると「語頭音添加」、単語の途中に音が加えられると「語中音添加」、そして単語の最後に音が加えられた場合には「語尾音添加」となります。
語中音添加
語中音付加・音中字挿入
『現代言語学辞典』(田中春美[編集主幹]/成美堂)
「語中音添加」についての説明文の長いもの。それを探してみると、この本だと思われます。(上の方で書いた)「トビ」→「トンビ」の説明も、この本に載っていたものです。
関連するページ
接尾辞法
:最後の部分にことばをつけ加えるレトリック
接頭辞法
:最初の部分にことばをつけ加えるレトリック
そのた
●幼さに関するもの
:
あだ名
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指小辞
-
幼児語
●音をつけ加えるもの
:
路頭音添加
-
語尾音添加
-
音添加
●新しい単語を作るもの
:
新造語法
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