引用は、『女子妄想症候群(フェロモマニアシンドローム)』 2巻から。
主人公は「滸(ほとり)」(♀)。そして、その彼氏が「炯至(けいし)」(♂)。
この2人は、幼なじみだった。そして今、つきあっている。だけれども、この「滸(ほとり)」と「炯至(けいし)」のカップルには、とても大事な問題がある。それは、なにかというと。
「滸(ほとり)」と「炯至(けいし)」は、子供の頃から友だちだった。
そして子供のころは、「滸(ほとり)」のほうが「炯至(けいし)」よりも、
断然、強かった。
そのため、「滸(ほとり)」と「炯至(けいし)」の2人の関係は、
「兄」と「弟」のようなものになってしまった。
こんな流れで「炯至(けいし)」は、犯罪的にカワイク成長した。
逆に「滸(ほとり)」は、
犯罪的にカワイイ「炯至(けいし)」と長年いっしょに過ごしてきたために、
異様に色欲の強い女に成り果てていた (19ページ)
という状態に、なってしまったからです。
で、この場面は。
友だちの「ユナ」が、バイトしている店(喫茶店)。この店が、クリスマスで人手不足になってしまった。そこで、ユナが(しぶしぶ)喫茶店に行く。
ならば、ユナだけがバイトに行ったのかというと、そうでありません。ユナは、その電話を受けた時、まさにクリスマスパーティーを始めようとしていたところだったのです。
そういった流れで。喫茶店でのバイトは、友だちみんなで行くことにした。なので「ユナ」はもちろんのこと、友だちの「滸(ほとり)」や、滸の彼氏「炯至(けいし)」も、バイト先へ行った。
バイト先の喫茶店に着く。そして、店の前でチラシを配ることになる。チラシを配る担当のヒトは、サンタクロースっぽい服装(=コスプレ?)を着ることになる。
問題は。
サンタクロースっぽい服装(=コスプレ?)は、女のコ用しかなかった。
しかたなく(?)、そのサンタクロースっぽい服装(=コスプレ?)を
「炯至(けいし)」が着る。
といったところです。
着替えを終えて、そのサンタクロースっぽい服装(=コスプレ?)をした「炯至(けいし)」のすがた。それがまた、悶絶するようなカワイイものだった。
その〈異様に色欲の強い女に成り果てていた〉滸(ほとり)が、「炯至(けいし)」のカワイイすがたを見る。すると、そのカワイさによって、「滸(ほとり)」は制御不能となる。
ただ、
- 滸「わぁ このケーキ
- なんておいしそう
- 今スグ食べたい
- むさぼり食いたい
- 舐める様にして食べたい
- 食べ食べ食食食食食
- 食食食食食食食食食
と。
ここで「食べ食べ食食食食食食食食食食食食食食」と、ことばに詰まっているところ。これが、「頓絶法」となるわけです。「食べ」だとか「食」とかいったものは、文が完全には成りたっていません。つまり、1つの独立した文とはなっていません。ですので、この部分を「頓絶法」とします。
なお、当然ながら。
「滸(ほとり)」が「今スグ食べたい」モノ。「むさぼり食いたい」モノ。「捕まっても食べたい」モノ。「舐める様にして食べたい」モノ。ここで「食べたい」ものは、本当は「ケーキ」ではありません。
ふつうケーキは「舐める様にして」食べるものではありません。また、食べたからといって「捕まる」こともないと思います(いちおう窃盗罪だけど、そんなことでいちいち逮捕はしない)。