変態法:相手の呼びかたや待遇などを一変させるレトリック
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関連レトリック
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へんたいほう
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【[上]普段の式守さん】
和泉(
ぼくの彼女は
とても可愛い
)
【[下]和泉に危険が迫ったときの式守さん】
式守「まったく
あんまり困らせないで」
和泉(
最高にかっこいい
)
-『可愛いだけじゃない式守さん』1巻[上]3ページ・[下]6ページ(真木蛍五/講談社 週刊少年マガジン)
変態法
は、相手の呼びかたや待遇などを一変させるレトリックです。感情が高ぶったり興奮したりするために、ある人に対する取り扱いかたや呼びかたなどを変化させることをいいます。
扱いかたが、それまでされていたものとは一変する
それまで、ある人に対してされてきた扱いかた。それが、それまでされていたものとは一変するというものです。それまで良かったものが悪くなったり、反対に、悪かったものが良くなったりするということです。
:待遇、取り扱い、処遇、急変、変わる、変化、激変
気持ちが高まり興奮すると、扱い方が変わる
扱いが急変するのは、気持ちが高まり興奮するときにおこるものです。それまで表には出さずにおさえてきた気持ちを、一気に表に出すことによって生まれるのです、
:興奮、高ぶる、気が立つ、エキサイト、激高、激発、一変、一転、ひょう変
語り口を変える
それまでとは、大きく語り口を変えるものです。
:語り口、話しぶり、もの言い、言葉づかい、口ぶり
引用は『可愛いだけじゃない式守さん』から。
主人公は「式守さん」と「和泉くん」のカップル。
和泉くんは特殊な体質があって、いつも危険を呼び込む。和泉くん目がけて、看板が落っこちてきたりとか(第3話)。スキーに行けば、すべて行く方向が制御不能になったりとか(第8話)。でもそんな時、いつでも助けに来てくれる人がいる。式守さんだ。
普段は、ふつうに和泉くんの彼女だし、可愛い。でも、可愛いだけじゃない。和泉くんが危ない目に遭うのではないかと思われる瞬間に、式守さんは登場する。そして、その危険を回避して、和泉くんにケガなどないように安全な状態にしてくれる。そんな時の式守さんは、かっこいい。
引用では、車にひかれそうになってしまったところを、かばってもらっている和泉くん。そんなふうに、時折見せるかっこいい式守さんのすがた。
式守さんは、普段の「可愛い」だけではなく「かっこいい」側面も持ち合わせている。和泉くんの状況に応じて、態度が一変する。だから、変態法になるのです。
「変態法」を説明している本
この「変態法」というレトリック用語は、『新文章講話』(五十嵐力/早稲田大学出版部)と、それを土台としている『日本語レトリックの体系』(中村明/岩波書店)、『日本語の文体・レトリック辞典』(中村明/東京堂出版)でしか(今のところ)見かけないレトリックです。
ですが、『日本語の文体・レトリック辞典』を基本文献としているこのサイトでは、レトリックの1つとして項目を立てておきます。
変態法
googleで「変態法」を検索すると
あたりまえのことですが。googleで「変態法」を検索するといっぱい出てくる、「超伝導線材を作製するための急熱急冷・変態法」とは全く関係ありません。
『日本語の文体・レトリック辞典』(中村明/東京堂出版)
上の方にも書いてあるように、この「変態法」は極めてマイナーです。それでも、長めに説明がなされている本は、こちらになると思います。
関連するページ
頓降法
:段々と登りつめていって、最後で落ちるという「急変」をするレトリック
伏線
:たがい違いに、シーンや態度を「急変」するというレトリック
そのた
●だんだんと変化するというレトリックの例
:
漸層法(広義の)
-
漸層法(狭義の)
-
漸降法
●ほかに「急変」するレトリックの例(未作成のページ)
:
頓旋法
-
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