漸層法(狭義の):だんだん表現が盛り上がる一般的な漸層法
TOPページ
漸層法(狭義の)
関連レトリック
漸層法(狭義の)
漸層法(狭義の)
ぜんそうほう
climax
みずほ先生「私 今日からここで暮らす
ことになったのよ
そっかあ… それはキミとは
ご近所さんに なるわけね
これから (ヨロ) あっ (フラ)
よっ (ヨタ) よろしく… (ヨロ)」
桂「…… はい
あの …よかったら
手伝いましょうか…?
」
みずほ先生「ええ!? (ヨロロ)
そんなァ (フラ)いいのよォ
気を使わなくてえ- (ヨタタタタ)」
桂「
てっ… 手伝います!
手伝わせて 下さいいいいい!!!
」
-『おねがいティーチャー』1巻33ページ(Please!・林家志弦/メディアワークス 電撃コミックス)
漸層法(狭義の)
は、だんだんと表現が盛り上がるレトリックです。つまり表現を、弱いものから強いものに、または浅いものから深いものに、もしくは小さなものから大きなものに、段々と調子を強めるものです。言いかえると、しだいにピークを作り上げていく表現だということができます。
こちらを参照のこと
漸層法(広義の)
を、参照ください。
こちらを参照のこと
漸層法(広義の)
を、参照ください。
こちらを参照のこと
漸層法(広義の)
を、参照ください。
引用は『おねがいティーチャー』1巻。
主人公は、「草薙桂」。
彼のクラスで担任をしていた人が、突然辞めた。そして、その代わりとして赴任してきたのが、美人で新米の女性教師。名前は「風見みずほ」。
そしてお約束のように、「みずほ」先生が引っ越してきたのは、「桂」のとなりの家。
だけれども、その引っ越しの様子が、危なっかしい。ヨロヨロ、フラフラ、なんか大変そう。
その様子を見ているうちに、
…よかったら
手伝いましょう か…?
と言う。それからはじまって、
てっ…
手伝います!
にグレードアップ。最後には、
手伝わせて
下さいいいいい!!!
と、頼みこむような話しぶり。
この、段々と口調が強くなっていく表現を、「漸層法(狭義の)」と考えます。
ふと思った
「おとな」って「どこから」なんだろう
「いつか、おとなになったら」
「もっと、大きくなったら」
僕らが口にするこの言葉は
まるで「呪文」や「言霊」みたいだ
そんなギモンをかかえて
何十回も何百回も
何千回も眠りについたら
ちがう空の下できみと同じ夢をみる (1巻3ページ)
もう1つ、「漸層法(狭義の)」の例を書いておきます。
引用は、『ラグーンエンジン』(杉崎ゆきる/角川書店 あすかコミックス)の1巻。
主人公は、等軍焔(らぐんえん)と等軍陣(らぐんじん)の兄弟。彼ら兄弟の家は、代々「凶(マガ)」と呼ばれる悪霊とか幽霊とかを退治している。
…というふうに、このマンガのストーリーを説明しても、あまり意味がありません。なぜなら、「漸層法(狭義の)」が使われているのが、このマンガの一番最初のページだから。
ふと思った
「おとな」って「どこから」なんだろう
「いつか、おとなになったら」
「もっと、大きくなったら」
僕らが口にするこの言葉は
まるで「呪文」や「言霊」みたいだ
そんなギモンをかかえて
何十回も何百回も
何千回も眠りについたら
ちがう空の下できみと同じ夢をみる (1巻3ページ)
これも、「何十回」→「何百回」→「何千回」というように、段々と「眠る」数を増やしています。ですので、これも「漸層法(狭義の))」をいえます。
「漸層法(広義の)と「漸層法(狭義)」との違い
この「漸層法(狭義の)」が、「
漸層法(広義の)
」のうちでも代表例にあたります。
同じように、「
漸層法(広義の)
」のグループには他に、「
漸降法
」や「連鎖漸層法」などがあります。
この、「
漸降法
」や「連鎖漸層法」を含めた「
漸層法(広義の)
」については、そちらを参照してください。
また、「漸層法」に共通する解説については、「
漸層法(広義の)
」をご覧ください。
漸層法(狭義の)
上昇的漸層法
『レトリック辞典』(野内良三/国書刊行会)
「上昇的漸層法」というレトリック用語で、「漸層法(狭義の)」を扱っています。同じ著者の書いた、『レトリック入門-修辞と論証-』(野内良三/世界思想社)や『日本語修辞辞典』(野内良三/国書刊行会)もにも、くわしい説明があります。
関連するページ
漸層法(広義の)
:だんだんと程度を変えていくレトリックのまとめページ
そのた
●程度を変えながら並べていくレトリック
:
漸降法
-
連鎖漸層法
-
飛移法
-
降移法
●同じようなことばを並べていくレトリック
:
列叙法
-
多種列挙
ランダムにページ選択:
サイト全部のトップ