過小誇張法:小さい方向に誇張する「誇張法」の一種
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過小誇張法 かしょうこちょうほう meiosis

『鋼の錬金術師』3巻12ページ(荒川弘/スクウェア・エニックス ガンガンコミックス)
  • エド「こっち
  • アームストロング少佐」
  • ピナコ「ピナコ・ロックベルだよ」
  • ピナコ「しかし
  • しばらく 見ないうちに…
  • エドは
  • ちっさくなったねぇ」
  • (対比物→アームストロング少佐)
  • エド「だれが ちっさいって!?
  • このミニマムばば!!
  • ピナコ「言ったねドちび!!
  • エド「豆つぶばば!!
  • ピナコ「マイクロちび!!
  • エド「ミジンコばば!!
-『鋼の錬金術師』3巻12ページ(荒川弘/スクウェア・エニックス ガンガンコミックス)
  • 定義重要度2
  • 過小誇張法は、 つまり、事実や認識を小さい方向に誇張する「 誇張法」の一種です。言いかえれば、「後向き」もしくは「下向き」に減少させてあらわす誇張法です。

  • 効果

  • 効果1「誇張」の効果

  • 「過小誇張法」によって、モノゴトが小さいことを強調することがあります。このレトリックが「過少『誇張法』」という名前だという事からも、だいたい察しはつくのですが。<
  • キーワード:誇張、強まる、強める、強化、増強、補強
  • 例文を見る)
  • 引用は『鋼の錬金術師』3巻から。

    「エドワード・エルリック」こと「エド」は、鋼の義肢である「機械鎧(オートメイル)」を身につけていた。

    しかし戦いの中で、鋼の義肢である「機械鎧(オートメイル)」を壊してしまった。これを直すために、整備師をしているピナコたちの元に訪れたエドワード(エド)とアルフォンス(アル)の兄弟。

    しかし、ピナコに「ちっさくなったねぇ」と言われ、エドが怒る。それを受けて、ピナコも反撃する。その口論が、引用した場面です。
    • このミニマムばば!!
    • ドちび!!
    • 豆つぶばば!!
    • マイクロちび!!
    • 「[ミジンコばば!!
    と、背が低いことについて、あまり建設的ではない争論がおこっています。

    しかし、「豆つぶ」と同じ大きさの人間がいるはずがありません。「ミジンコ」と同じ大きさの人間がいるはずもありません。これは、「小さい」ということを極端にして表現しているものです。この点が「過小誇張法」にあたります。


     【おまけ】

    なおエドは、「ちっこいの」みたな背の低いことを言われると、凶暴化するようです。例えば、
    • 「アル」が錬金術師と間違えられた場面。
    • 「エド」のほうが鋼の錬金術師だと言うと…
    • 町の人「あっちの ちっこいの?」
    • エド「誰が豆つぶ
    • ドちびか——ッ!!
    • (がっしゃーっ)
    • ↑食卓をひっくりかえす音uii]]]
      • 町の人「そこまで
      • 言ってねえー!」
      • (1巻15ページ)

      • 列車で人質になって、銃を向けられたエド
      • 犯人「こんな おチビさんを撃つのは
      • 気がひけるが……」
      • エド「だぁれぇがぁ
      • ミジンコどチビ
      • か——!!!
    • (ボコ ベコ ドカ)
    • ↑犯人を殴っている音
    • (1巻150〜151ページ)
    と、1巻だけでもこれだけあります。このマンガでエドは、お約束みたいに「ちっこい」と言われて激怒します。
  • レトリックを深く知る

  • 深く知る1ことわざの中にある「過小誇張法」
  • 「蚊の泣くような声」とか「猫の額ほどの土地」のように、定式化した表現もみられます。

  • 深く知る2「過小誇張法」と「過大誇張法」との関係
  • 世の中には「大きい」と「小さい」という尺度では表せないものもあります。そのため、この「過小誇張法」と「 過大誇張法」とは、原理的には同じものといえます。

    たしかに、上で引用した「背が低い」というのは、わりと「過小誇張法」になじみやすいものです。しかし、「 過大誇張法」なのか「過小誇張法」なのか、区別ができない例も多くあります。

    また実際には、「過小誇張法」が使われることは少なく、圧倒的に「過大誇張法」のほうが多く登場します。

    そのため。「誇張法」とだけ書いてあるばあいには、「過大誇張法」を示しているのが一般的です。
  • レトリックの呼び方
  • 呼び方5
  • 過小誇張法
  • 呼び方1
  • 縮小叙法
  • 参考資料
  • ●特になし
  • 特になし