語中音消失:ことばの中間部分にあった音を省略するもの
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語中音消失
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語中音消失
語中音消失
ごちゅうおんしょうしつ
syncope
むっちー「ももは こーみえても
お嬢様なんだぜ」
まなび「
しらなカタヨー!!
」
めぇ「携帯電話の メーカーも
生徒手帳の メーカーも
天宮さんの
エアボのメーカーも
小鳥さんちの
グループ企業よ」
まなび「
しらなカタヨー!!
」
-『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』2巻41ページ(たあたんちぇっく・ufotable・小笠原篤/メディアワークス DENGEKI COMICS)
語中音消失
は、ことばの中間部分にあった音を省略するレトリックです。つまり、語句のうちで真ん中にあったはずの音を、消してなくすものです。
韻をふむときに役立つ
詩などをつくるときに、韻をふませるのに役に立ちます。
:韻、押韻、脚韻、五七調、七五調、詩、作詞、詩歌
引用は、『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』2巻から。
西暦2035年の、とある高校でのおはなし。
“まなび”(天宮学美)は、とある高校に転校生として新しくやってくる。そして転校してくるとすぐに、生徒会長になった。
そんな“まなび”を生徒会長とする、生徒会のメンバー(+α)たち。
それが、“みかん”(稲森光香)、“むっちー”(上原むつき)、“めぇーちゃん”(衛藤芽生)、“もも”(小鳥桃葉)。
で。
ある日、“もも”が、賞味期限切れが近くなったハムを、家から持ってきてくれた。みんなでいっしょに食べよう、って思って。
だが。
そのハムは、高級なブランドハムだった。
だから“まなび”は、「なんで、こんな高級ブランドハムが“もも”の家の冷蔵庫にあるのか」を質問した。それが引用のシーンです。
実は、“もも”は大企業のお嬢様だったわけです。だから、家に高級ブランドハムがあった。しかも、ハムは賞味期限切れが近くなっているのにもかかわらず“もも”の家では見向きもされなかった。それを考えると、“もも”の家が大金持ちだということがよくわかる。
そして。
“もも”が大企業のお嬢様だったということに驚いた“まなび”の感想が、「語中音消失」というわけです。つまり、
まなび「
しらなカタヨー!!
という言い方が、「語中音消失」ということになります。
ふつうに書けば、「しらなかったよー」になるはずです。つまり、途中に「っ」が入っているはずです。
それなのに、「しらなかったよー」ではなく「しらなかたよー」になっている。ここが「語中音消失」というわけです。
ほかには、「はずかしい」を「はずい」と省略した「語中音消失」もみつけました。『パフェちっく!』(ななじ眺/集英社 マーガレットコミックス)13巻の、170ページ。
なにせ引用が、13巻からです。13巻までのストーリーを書くことはできません。なので、必要最小限の説明をしておくと、次のようになります。
主人公は「風呼(ふうこ)」。彼女はアパートに住んでいて、同じアパートには「壱(いち)」が住んでいる。
正月に、2人が「あけおめ」と新年のあいさつをする。そのあとで「壱」は「風呼」に、閉じた封筒を渡す。
「風呼」は、その封筒を開けて何が入っているのかを見てみようとする。すると「壱」が、「今見んなよ」(169ページ)と言う。その理由が、
「
はずいっつの
」
というもの。
googleで「はずい」を検索すると、「〜は、ずいぶん〜」みたいな文章がヒットしてしまうので、どの程度広まっている言葉なのかは確認できませんでした。
ですが、この「はずい」が「語中音消失」なのは、確かです。
より使いやすくするための「語中音消失」
一般に「語中音消失」を用いる理由。それは、「語中音消失」によって、ことばの持っているの「音」の数を減らすことによって、より使いやすくするためだと言えます。
とくに「話しことば」では、この「語中音消失」が多く見られます。もっといえば、「語中音消失」をはじめとする、ことばの一部分を省略するレトリックは、会話の中でたくさん使われるものです。
「語中音消失」と「短縮語」との関係
「語中音消失」は、「
短縮語
」にふくまれるレトリックです。「
短縮語
」にふくまれるものとしては、ほかに、
言葉の最初の部分を省略するのは「
語頭音消失
」(「アルバイト」が「バイト」になったりする場合)。
言葉の最後の部分を省略するのは「
語尾音消失
」(「テレビジョン」が「テレビ」になったりする場合)。
があります。そちらもご参照ください。
このように、「
短縮語
」には「
語頭音消失
」「語中音消失」「
語尾音消失
」の3つがあります。ですがその中で、一番よく使われるのは「
語尾音消失
」です。
なぜかというと、ことばはその最初の部分に、その単語の全体を連想させるような情報を多く持っているからです。その部分は省略しづらい、というわけです。
語中音消失
語中音省略・語中音脱落
中間削除(法)、語中音消去、中部短縮、中間脱落
『レトリック事典』(佐藤信夫[企画・構成]、佐々木健一[監修]、佐藤信夫・佐々木健一・松尾大[執筆]/大修館書店)
ちゃんと日本語の例文が載っていたりして、便利な本です。
「まなびストレート!」の中で、このページが「語中音消失の例になった理由
どうでもいいこと。
突然ですが、私(サイト制作者)は「むっちー好き」です。
ですのでこのページは、「むっちー」のために作りました(笑)。
もしも「まなび」が好きだったら、「
感嘆法
」のページには『まなびストレート!』が作られていたことでしょう。
あぁ聖桜ー
歓びの声よー
あぁ聖桜ー
学びの園に響けー
(1巻60〜61ページ)
って歌っているところ。典型的な「
感嘆法
」です。
「
感嘆法
」は、感嘆符(!)や感嘆詞(「ああ」「おお」「まあ」)をつかって心の動きをあらわすレトリックです。「まなび」が歌っているこの歌は、「
感嘆法
」とみて間違いのない文です。
でも、「むっちー」が出てこないシーンなんて、引用してくる画像には使わない。なぜなら、「むっちー」好きだから。
…そんな作りかたで、このサイトは大丈夫なのでしょうか?
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