まず第1に。
コミックを読んでいる、私たち読者からみて。キャラクターの言っていることが、「ウソ」だと分かるか分からないか。
そういった視点から「ウソ」を考えてみると。
圧倒的に多いのは、私たち読者から見たら、すぐに「ウソ」だと分かるもの
です。
キャラクターが、何かを話した時に。それが、すぐには「ウソ」だとは読者には気がつくことが出来ないで、あとになって「ウソ」だとわかる。そういったタイプは、「探偵ものの犯人のセリフ」くらいしかありません。
つまり。
私たち読者は、それぞれのキャラクターの動きや考えかたを総合的に知っている。だから、そのセリフが「ウソ」だということも分かる。
けれども。
作品に登場してくるキャラクターは、それぞれの立場でしか「ウソ」かどうかを判断できない。つまり、「ウソ」のことを「本当」だと信じてしまうことがありうる。
で、そういった食い違いによってドタバタがあったり、ストーリーが進んでいったりする。
なので。
私たち読者から見たら、「ウソ」だということがハッキリと分かるようなもの。それが、この「虚言」というレトリックで使われる「ウソ」の大きなポイントです。