地口:「ことわざ」などのパロディ
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『花より男子(だんご)』
神尾葉子
-『花より男子(だんご)』1巻表紙(神尾葉子/集英社 マーガレットコミックス)
地口
は、「ことわざ」などのパロディです。つまり、「
成句・イディオム
」に分類される「慣用句」や「格言」などを、音のひびきだけが似ていて意味が全くの違った言葉に置きかえるものです。
シャレを作ることで、笑いのある表現を作る
「ことわざ」や「格言」を使ってシャレをつくるのが、「地口」です。なので、面白おかしいフレーズをつくることができます。
:おかしい、滑稽、おもしろい、おかしい、ユーモア、ユーモラス、楽しい、上機嫌、ご機嫌、笑い、笑う、笑わせる、快い、愉快、快感、痛快、滑稽、面白味、面白おかしい
「成句」のパロディーを作る
よく知られている「慣用句」や「格言」「
ことわざ・諺
」などの「
成句・イディオム
」。この「音」だけをマネして、その「音」に似た別の言葉をあてます。それによって、もともとの「慣用句」や「格言」とはまったくちがった、別の意味をもたせることになります。
:パロディー、成句、ことわざ、慣用句、格言
引用は『花より男子(だんご)』1巻の表紙です。
あたりまえのことですが、このタイトルは「花より団子」ということわざをパロディ化したものです。わざわざ「男子」という単語に「だんご」というフリガナをつけていることからも、ことわざのパロディであるということを意識したタイトルになっていると思われます。
実は、この『花より男子(だんご)』を「地口」の例として挙げるのは、私の専売特許ではありません。『レトリック辞典』という堅苦しそうなレトリックの教則書でも、この「花より男子(だんご)」を「地口」の例として挙げています。
「地口」の例
例えば、「舌切り雀」という言葉の「音」だけを流用して、「着たきり雀」とするようなばあいが、この「地口」にあたります。
「地口」と「しゃれ」「パロディ」などとの関係
「地口」は、意味がまったく違うのにもかからわず、音だけが似ているということになります。ですので、「
しゃれ
」の仲間ということができます。
また、「慣用句」や「名言」といったものは、「地口」になるばかりではありません。
時によっては、「地口」のほか「
パロディ
」や「
引喩
」「
成句・イディオム
」によって変えられることよくあります。
「地口」の歴史
この「地口」のように、「格言」などを「もじって」おもしろおかしくするといったことは、江戸時代の昔から数多く行われています。
『ことば遊び(中公新書418)』(鈴木棠三/中央公論社)によれば、最も古いものは享保年間(1716〜)に見つけることができるとしています。
特に、百人一首のような良く知られている和歌は、多くがこの「地口」の対象になっています。
地口
『新版ことば遊び辞典』(鈴木棠三[編]/東京堂出版)
「ことば遊び」についての研究では、鈴木棠三氏の右に出るものはいません。あわせて『ことば遊び(中公新書 418)』(鈴木棠三/中央公論社)と『日本語のしゃれ(講談社学術文庫 445)』(鈴木棠三/講談社)もご参照ください。
『言語遊戯の系譜』(綿谷雪/青蛙房)
こちらは、歴史を中心とした解説書。
マンガで使われている「レトリック」を集めて見ようと思った理由
私(サイト作成者)が、マンガで使われている「レトリック」を集めてみようという気になった理由。そのひとつには、『レトリック辞典』が「花より男子(だんご)」を「地口」の例として挙げていたことがあります。
関連するページ
成句・イディオム
:「地口」のもとになる定型句
そのた
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ことわざ・諺
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慣用句
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