はじめて聞くと、ちょっと意外に思うかもしれません。ですが、「なぞかけ」と「ことわざ」とは、とても近い関係にあるということ。これは、よく知られていることです。
そのことを確認するために。ここにひとつ、金持ちと灰吹きは溜まるほど汚い
という「ことわざ」と挙げてみます(この例文は『ことわざのレトリック』のもの)。
ここでいう「灰吹き」というのは、タバコの吸い殻を捨てるための竹筒のこと。ことわざの意味は、だいたい「金持ちは財産を溜めるほど、ますますケチになり金に汚くなる。灰吹きは灰を溜めるほど、どんどん灰で汚くなる。」といったようなことです。
さて。この「ことわざ」を、「なぞかけ」に変えてみると。- 金持ちとカケて 何と解く
- 不精者の灰吹きとトク
- そのココロは 溜まるほど汚くなる
といったわけで。面白いかどうかは別にして、すぐに「なぞかけ」に作りかえることができます。実は〈「A」と「B」は、ともに「C」だ。〉
というタイプの「ことわざ」は、〈「A」とカケて「B」とトク、そのココロは「C」〉
と言いかえられると考えて、まず間違いありません。- 「理屈」と「膏薬」は、「どこにでもつく」
- →「理屈」とカケて「膏薬」とトク、そのココロは「どこにでもつく」
といった具合に。
これだけ、「なぞかけ」と「ことわざ」は近い関係にあるのです。